クリニック開業をするには、開業したい時期を想定し、いつから準備をすればよいか把握しておく必要があります。一般的なクリニック開業のスケジュールと、それぞれの時期に何をすべきかを解説します。
クリニック開業までの準備期間は戸建てかテナントかなど開業スタイルによっても変わりますが、おおよそ12~18ヶ月と言われています。オープンまでの流れに沿って、一般的なクリニック開業のスケジュールを見ていきます。いつまでに何をすべきか把握しましょう。
まずは開業時期の想定と経営計画の策定を行いましょう。クリニックをただオープンさせるだけでなく、開業後は経営者として病院運営していかねばなりません。経営方針やビジョンがないと、さまざまな点で判断がズレたり開業計画が頓挫してしまうことも。ここでしっかりとクリニックのコンセプト・経営計画を策定しましょう。
根幹が決まれば、物件の選定やスタッフ採用などに一貫性が生まれ、さまざまな場面で役に立ちます。また、資金調達の際にも経営計画は必要になります。
経営計画の策定には損益計算書や収支予算表の作成をします。資金調達だけでなく、オープン後の運営を大きく左右するいわば指標となるので、ご自身でしっかり把握しておかねばなりません。
事業コンセプトが固まったら、実際に開業するエリアや土地、物件を決めていきます。クリニックの場合は物件が決まっても内装工事や医療機器の搬入などに時間がかかるため、少なくとも7ヶ月前までには賃貸仮契約まで済ませておきたいところです。賃貸仮契約前に、この物件で開院できるか保健所への相談も忘れずに。
この時期に、物件の選定と同時に金融機関への借り入れ交渉もスタートさせます。事業計画を元に借入希望額を出し、融資審査を受けましょう。
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物件が決まったら、いよいよ内装工事に入っていきます。同時に、医療機器を選定しレイアウトを決定します。
クリニックの内装経験が豊かな業者を選ぶと、より多くの提案やアドバイスももらえるでしょう。打合せを重ねながら、効率の良い動線を考えたレイアウトを決定し工事を開始します。
電子カルテの導入も、医療機器との連携を考慮してこの段階で選定するがスムーズです。
開業1~3ヶ月前には求人広告を出してクリニックで雇用するスタッフを募集します。条件によってはすぐに良い人材が見つかるとは限りませんので、採用の方法もよく検討する必要があります。事業計画を元にどのスタッフが何名必要なのか、給与や休日、待遇などを決め、採用したいスタッフが見つけやすい求人サイトなどで採用活動をします。
同時に開院のPR活動もスタートします。来院が見込める地域住民にチラシの配布やポスティングをして開院の告知をする方法などがありますが、医療機関の広告は医療法によって禁止事項が設けられています。不適切な表示や表現は違法となり行政による立ち入り検査や是正命令、罰則の対象ともなりますので、医療広告に慣れている業者に相談・依頼することをおすすめします。
クリニック開業にあたり、保健所に「診療所開設届」の提出を行います。保険診療を行う場合には厚生局への「保健医療機関指定申請」も必要です。
これらの手続きが遅れると予定通りに開業できないため、確実に手続きをしましょう。
開業1ヶ月前からはスタッフ研修もスタートさせましょう。院長自身の考え方や経営理念を今一度共通認識とし、業務のシミュレーションや備品の発注、医療機器や電子カルテの使用方法など確実にできるよう準備します。
開業までの準備は事業計画から資金調達、内装工事、求人、広告と幅広い業務があり、ご自身だけですべてを把握するのは困難です。開業後に失敗しないように、信頼できる開業支援会社に相談してサポートを受けながら開業準備を進めましょう。クリニック開業を考え始めたら、予定エリアに精通しているコンサル会社を探すことから始めるのがおすすめです。
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