クリニックを開業する場合、自己資金だけでまかなえるというケースはわずかです。多くのドクターが金融機関などから借り入れを行なうことになるでしょう。その場合は、できるだけ有利な条件で融資を受けたいところです。このページでは、クリニック開業の融資を受けるために必要となるものややるべきことをまとめています。
融資を受けるためには、事業計画書が必要です。金融機関も多くのクリニック開業に対して融資を実行してきた経験を持っているので、単なる数字合わせのような事業計画書は通用しません。クリニックの診療科や投資規模、見込み患者数などに基づく、実現性の高い事業計画書が必要です。
その作成のためには、クリニックのコンセプトや診療内容に必要な機器や設備、建築・内装工事などの見積もりを取り、投資総額の概算を出します。これに人件費や地代家賃、医薬品や医療材料などの変動費、返済元本などを加えて収支シミュレーションを行なっていきます。
自己資金は多いに越したことはありませんが、なかなかおぼつかないという先生もいらっしゃるかもしれません。ですが、事業計画書さえしっかりしていれば、融資はそれほど難しくありません。
むしろ返済のほうが問題が多いと言えます。診療報酬が入金されるのは2カ月後ですので、クリニック開業時は無収入でもやっていけるだけの資金的余裕が必要です。そして返済金は診療報酬から人件費などさまざまな経費を引き、税金のことも計算に入れた上で残ったお金でまかなうことになります。つまり、診療報酬が伸びないことにはお金も返せないのです。
金融機関からは事業計画書のほか、クリニック開業を決意した理由などをまとめる趣意書を求められるケースが多くなってきました。それには開業の理由、開業場所の選定理由、開業後の診療方針などを記載しますが、これについては開業コンサルに任せきりにせず、先生ご自身の言葉で作成してください。借り物の言葉はすぐにわかります。
先生の思いが融資担当者に伝わればプラスに印象づけられますし、金利などの条件も有利に動く可能性が高くなります。
各都道府県によっては、信用保証協会と提携して資金を貸し出す制度融資を設けているところがあります。
一般的には金融機関よりも金利が安く、なおかつ固定金利で融資を受けられるので有利です。しかも金融機関よりも審査が通りやすく、制度によっては金利や保証料の一部を都道府県が負担してくれる場合もあるので、もし制度が存在するのであればぜひ利用を検討したいところです。しかし、金融機関の融資よりも実際に入金されるまで時間がかかることがほとんどで、融資の条件として開業エリアを指定される可能性もあります。
このほか、地域の医師会や医師信用組合が開業資金や運転資金の貸付を行っている場合があります。相当な貸付金額でも無担保で融資を受けられることも多いので、自己資金が少ない場合などは利用を検討してもいいでしょう。ただし、これも地方での開業に限られることがあり、当然のように医師会には加入しなければなりません。
冒頭でも申し上げたとおり、クリニックの開業資金をすべて自己資金でカバーするのは難しいものです。したがって資金調達を行なうことになりますが、その際は金利の安さ、審査の通りやすさといったポイントで資金調達手段を比較すべきです。
とは言え、大きな借り入れを行なうのはドクターにとっても初めての経験でしょう。住宅ローンなどとは話が違い、当然、不安なこともあると思われます。そんなときこそ、クリニック開業コンサルの出番です。スムーズに資金調達できるよう、経験豊富なコンサルタントに相談することをおすすめします。
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